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通関業者とフォワーダー・乙仲との違いとは? おすすめ3社も紹介

輸出入事業をスムーズに始めるためには、通関業者とフォワーダーや乙仲との違いを把握して適切な業者へ依頼することが欠かせません。結論から言うと、通関業者とフォワーダーや乙仲とで異なっているのは依頼できる業務内容です。
この記事では3者の違い、通関業者を利用するメリットやおすすめ企業を解説します。これから輸出入事業を開始しようと考えている方はぜひ参考にしてください。

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目次この記事の見出し一覧

 

1.通関業者・フォワーダー・乙仲の違い

 

2.通関業者は貿易に関する法的手続きを代行してくれる人のこと
 2-1.通関業務の流れ
 2-2.自社の通関手続きを行う場合は許可が必要ない
 2-3.輸入代行業者は通関業者ではない

 

3.通関業者とフォワーダーの違い
 3-1.フォワーダーは国際輸送業務の全体を手配する業者を指す
 3-2.通関業者とフォワーダーは業務内容が違う

 

4.通関業者と乙仲の違い
 4-1.乙仲は主に海運輸送業務を手配する業者を指す
 4-2.通関業者と乙仲は業務内容が違う

 

5.フォワーダーと乙仲の違い

 

6.通関業者を利用するメリット
 6-1.複雑な作業を丸投げして輸出入業務を簡略化できる
 6-2.コストカットできる

 

7.フォワーダー・乙仲を利用するメリット

 

8.信頼できる通関業者を探す5つのポイント
 8-1.どこまでの業務を担ってくれるか
 8-2.過去に豊富な実績があるか
 8-3.過去に不正を働いていないか
 8-4.AEO認定業者か
 8-5.得意ジャンルは何か


9.おすすめ通関業者3選
 9-1.凸版物流株式会社
 9-2.Enharmonic Business Solutions LLC
 9-3.エコプラント有限会社

10.まとめ
 

通関業者・フォワーダー・乙仲の違い

初めに、3者の違いを簡単に把握しておきましょう。その後、通関業者の業務内容について詳しく解説していきます。

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通関業者は貿易に関する法的手続きを代行してくれる人のこと

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通関業法にもとづき「通関手続きの代行=通関業務」を行う人を通関業者と言います。財務大臣の許可を得た証である通関士という国家資格が必要です。

通関手続きとは輸出入の申請、税関検査への対応や処分への不服申し立てといった貿易に関する法的手続きのこと。たいていは関税や消費税の計算・立替など税金関連の業務も依頼可能です。

通関業務のみを行っている会社に依頼する場合、輸送手段は別で調達しなくてはいけません。しかし近年は通関業者の業務範囲が拡大しており、輸送まで代行もしくは手配してくれる会社もあります

通関業務の流れ

通関業務は下記のような流れで行います。

・輸出する場合

❶必要書類の準備もしくは確認

❷保税蔵置場への貨物搬入

❸税関官署への搬入申告

❹税関への輸出申告

❺輸出許可の確認

・輸入する場合

❶必要書類の準備もしくは確認

❷保税地域への貨物搬入

❸税関への輸入申告

❹関税・消費税の立替納付

❺輸入許可の確認

上記以外では、税関検査や処分といったイレギュラーな場合にも対応しなくてはいけません。

自社の通関手続きを行う場合は許可が必要ない

自社の商品についての通関手続きを社内の人間が行うのであれば、財務大臣の許可は必要ありません。通関業法において許可が必要と定められているのは「他人の」手続きを代行する場合であるためです。

「通関業務」とは、他人の依頼によつてする次に掲げる事務をいう。 引用:通関業法 第二条

代行に報酬が発生するか否かについての規定はありません。知り合いの会社に無料で代行してもらえる、といったケースでも依頼を受ける側には許可が必要なため注意してください。

輸入代行業者は通関業者ではない

輸入代行業者は通関業者ではないため、通関業務を依頼できません

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輸入代行業者が輸入している貨物の持ち主は、転売先の企業ではなく代行業者です。通関手続きを行う対象が自社の貨物であるため、輸入代行業者の通常業務では通関業としての許可が必要ありません。

多くの輸入代行業者には通関手続きの代行を依頼できないため注意しましょう。

通関業者とフォワーダーの違い

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通関業者とフォワーダーの違いを簡潔に示した表が下記です。

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フォワーダーは国際輸送業務の全体を手配する業者を指す

貨物利用運送事業法にもとづき国土交通大臣の許可を受けて輸送業務の全体を手配する業者をフォワーダー(貨物利用運送事業者)と言います。「利用運送」の定義は下記のとおりです。

 

(前略)「利用運送」とは、運送事業者の行う運送(実運送に係るものに限る。)を利用してする貨物の運送をいう。 引用:貨物利用運送事業法 第二条

 

フォワーダーは利用運送を行う業者ですので、基本的に自社の運送手段を持っていません。貨物の所有者と船会社・航空会社・鉄道会社を仲介し、輸送を手配します。

 

また一般にフォワーダーと言う場合、国際輸送を手配する業者を指します。

 

通関業者とフォワーダーは業務内容が違う

通関業者とフォワーダーの違いは法律に定められた業務内容です。

 

輸出入に関する法的もしくは税務的手続きなら通関業者に、輸送の手配ならフォワーダーに依頼してください。輸出したい貨物を、通関業者に依頼して税関手続きを完了させ、フォワーダーに依頼して海外のバイヤーの元まで届けるといったイメージです。

 

ただし輸送もしくはその手配を行う通関業者が増えているように、通関業務を行うフォワーダーも増えています。近年では通関業者とフォワーダーとの違いがなくなりつつあることも覚えておきましょう。

 

通関業者と乙仲の違い

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通関業者と乙仲の違いを簡潔に示した表が下記です。

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乙仲は主に海運輸送業務を手配する業者を指す

乙仲は1947年まで効力を持っていた海運組合法により規定されていた「乙種仲立業」の略称です。定期的な海上貨物の仲介を行う業者を指していました。

 

同法はすでに廃止されているため、現在、乙仲という業種は法的に存在しません。名称だけが残り慣習的に用いられています。

 

よって乙仲に明確な定義はありません。人やシーンによって、港湾運送事業法に規定される港湾運送事業者を指したりフォワーダーを指したりといった状態です。国際輸送の現場においては「乙仲≒フォワーダー」という認識で概ね問題ないでしょう。

 

通関業者と乙仲は業務内容が違う

「乙仲≒フォワーダー」ですので「通関業者と乙仲の違い≒通関業者とフォワーダーの違い」と言えます。

 

海上輸送を行う貨物について、税関手続きの代行を依頼したいなら通関業者を、港への搬入・搬出や輸送手配の代行を依頼したいなら乙仲を探しましょう。

 

ただし乙仲も通関業務を行える会社が多いため、通関業者と乙仲との違いも無くなりつつあります。

 

フォワーダーと乙仲の違い

先述のとおり、現在ではフォワーダーと乙仲は基本的に同じです。

 

戦前は乙種仲立業が海運組合法によって規定されていたことからもわかるように、乙仲は海貨輸送を主な業務としています。一方、フォワーダーが扱う貨物は海上輸送されるものに限りません。飛行機や鉄道によって運ばれる貨物もフォワーダーが輸送手配を行う対象です。

 

より厳密には「海貨専門のフォワーダー≒乙仲」と言えるでしょう。

 

ただしフォワーダーと乙仲それぞれの業務範囲が拡大するにつれ、両者の違いは縮小しています。現在では明確な区別は存在せず、個人や会社の習慣によって呼び分けられているのが実状です。

通関業者を利用するメリット

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通関業者を利用するメリットは次の2つです。

 

・輸出入業務を簡略化できる

・コストカットできる

複雑な作業を丸投げして輸出入業務を簡略化できる

通関業者を利用すれば、輸出入に関する業務を簡略化できます。

 

輸出入に必要な書類作成や申請・関税や消費税の計算・処分が下された際の不服申し立てなどは、知識と経験が要求される複雑な業務です。プロに丸投げすることで自社の負担が減り、貨物の輸出入がスムーズになります。

 

コストカットできる

通関業者を利用すれば、社内に通関業務要員を配置する場合に比べてコストカットできる可能性があります。

 

前述のとおり通関業務をこなすには知識とスキルが必要です。通関業務をこなせるスタッフを雇うためには少なくない人件費がかかります。

 

特に頻繁に輸出入を行わない企業にとっては、優秀な人材を雇用するよりも通関業者へ外注したほうが安く済むでしょう。

 

フォワーダー・乙仲を利用するメリット

 

フォワーダーや乙仲を利用するメリットは下記の2点です。

 

・自社の物流網がない海外でも簡単に輸送できる

・国ごとの製品輸送ルールを教えてくれる

 

フォワーダー・乙仲を利用すれば自社の物流網やコネクションがない土地でも輸送を手配できます。

 

1から物流を整えようとすると時間・労力・費用のどれもがかかり過ぎてしまい、採算が取れません。プロに依頼することで貨物の種類、重さや量を問わずスムーズに輸送できます。

 

製品輸送ルールを教えてくれる点もメリットです。

 

「〇〇は冷凍が必要」といったルールが世界中にあり、国ごとに違いがあります。これらをいちいち自社で調べることなく手配もしくはアドバイスしてくれるため、貨物の輸送がスムーズかつ低リスクです。

 

信頼できる通関業者を探す5つのポイント

 

信頼できる通関業者を探すときに気をつけたいポイントは次の5つです。

 

 ・ どこまでの業務を担ってくれるか

 ・ 過去に豊富な実績があるか

 ・ 過去に不正を働いていないか

 ・ AEO認定業者か

 ・ 得意ジャンルは何か

 

どこまでの業務を担ってくれるか

通関業者を探すときは通関業務だけを代行してくれるのか、輸送手配まで行ってくれるのかに気をつけましょう。

 

どちらのほうが優れているといった話ではありません。重要なのは通関業者の業務範囲が自社のニーズに照らして必要十分か、です。

 

「輸送手配まで頼みたかったのに、通関業務しかやってくれない通関業者だったから別の会社も探さなくてはいけない」といった状況を避けるために、業務範囲を確認してください。

 

またほとんどの場合は、輸送手配もできる会社に通関業務だけを依頼することもできます。

 

過去に豊富な実績があるか

 

運営歴が長く実績が豊富な通関業者を選びましょう。

 

通関業者の実績が少ないと、税関検査の対象になりやすくなってしまいます。やましいことがなければ検査を受けても大きな問題はありませんが、時間と手間がかかるため避けたいところです。

 

ただし通関業者の実績が豊富でも、ランダムで税関検査の対象に選ばれる可能性があることは覚えておいてください。

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過去に不正を働いていないか

過去に不正を行なった通関業者は避けましょう。

 

税関検査の対象になりやすいうえ、会社としての信頼度も高いとは言えません。故意・過失を問わず不正がなかったかあらかじめ確認してください。

 

AEO認定業者か
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引用:AEO制度パンフレット

通関業者の信頼性を見極めるには、AEO認定を受けているかどうかを確認します。

AEOとはセキュリティとコンプライアンスへの意識が高い業者を財務省が認定し、税関手続きの迅速化・効率化といったメリットを与える制度です。

ただし「AEO認定を受けていない=信頼できない」というわけではありません。AEO認定業者に依頼するには貨物主への要求水準も上がる場合があります。

あくまでわかりやすい指標の1つとして、AEO認定業者かどうかを参考にしてください。

得意ジャンルは何か

会社ごとの得意ジャンルも、通関業者を選ぶ際に気をつけたいポイントの1つです。

通関業者によって国や商材といった得意ジャンルが異なります。輸出入のルールや必要な手続きも国や商材によって異なるため、通関業者を選ぶ際は「餅は餅屋」を意識してください。



 

おすすめ通関業者3選

 

おすすめの通関業者は下記の3社です。

 

 凸版物流株式会社

 Enharmonic Business Solutions LLC

 エコプラント有限会社

凸版物流株式会
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凸版印刷で有名なトッパングループの会社で、大手の通関業者です。

 

対応してくれる業種・国・業務すべて幅広く、自社の物流ネットワークで国内輸送もサポートしてくれます。AEO認定を受けているため、信頼度も申し分ありません。

通関業者への依頼が初めてなら、ひとまず検討したい会社です。

Enharmonic Business Solutions LLC

Enharmonic Business Solutions LLCは自動車部品や機械に強い通関業者です。

 

10年以上の業界経験があり、実力・実績ともに信頼できます。

部品や機械を欧米に輸出する企業におすすめです。


 

エコプラント有限会社

 

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エコプラント有限会社はベトナムとの貿易関連業務が得意な通関業者です。

輸出入に関する手配や在庫管理だけでなく、ベトナムへの進出までサポートしてくれます。

後々、ベトナムへの本格的な進出を計画している企業におすすめです。

まとめ

会社ごとに得意ジャンルや費用が異なるため、通関業者に依頼する際は相見積もりを請求して比較しましょう。比較ビズを利用すれば、2分程度の簡単な入力で無料の相見積もりを請求できます。

 

実績豊富で信頼できる通関業者を比べて、ぴったりの会社を探してください。

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